岩間さん(仮名)は、7年前に自宅のマンションを購入し、2人の子供にも恵まれ、幸福な生活を送っていました。しかし、妻の反対を押し切り、3年前に対人関係が原因で勤務先を退職してからは生活が一変してしまいました。生活費が不足し、住宅ローンの支払いが困難になり、奥さんとは喧嘩が絶えない生活になってしまったのです。

岩間さんには「これ以上家庭を崩壊させたくない」という思いが強くあり、マンションだけは手放すわけにはいかないと、奥さんに内緒でサラ金に借金してまでローンの返済を続けました。

岩間さんは、現在の職場に転職しましたが、以前より給料が大幅に下がってしまったため、夜は飲食店でアルバイトをして生活費を補うています。奥さんは、たまに短期のアルバイトに出ていますが、軽いうつ病と診断されていて、ストレスを避けるためにも奥さんの収入を期待することはできませんでした。
毎日、借金の返済に追われ、さらに、奥さんとの関係は冷え切ったままです。岩間さんが、夜、アルバイトをしているのは、借金の返済のためでもあるのですが、奥さんと一緒にいる時間を減らしたかったからなのです。家にいるときは、「針のムシロ」状態だったそうです。

岩間さんも、精神的に追い詰められていき、何度も自殺を考えたそうですが、2人の子供の顔を見るとどうしても踏み切れませんでした。岩間さんは完全に返済に行き詰まり、「明日は絶対に死のう」と考えて帰宅する車中のラジオから、偶然、司法書士が個人再生手続きを説明している特集を聞きました。それは、住宅ローンを抱えていても、住宅を手放すことなく消費者金融などの借金を整理できる、というものです。「もしかしたら、これで救われるのではないか」、岩間さんはそう考えて、早速、その翌日、事務所に相談に来られました。

岩間さんが司法書士事務所に相談した時には、住宅ローン以外に消費者金融などから、1000万円以上の借金があり、毎月20万円以上の返済をしており、返しては借りるの繰り返しの状況でした。岩間さんは、、司法書士のアドバイスを受けて、奥さんに全ての事実を打ち明け、個人再生の申立てを行いました。その結果、サラ金等の借金の返済金額を毎月56,000円、36回払いとする内容の再生計画案の認可を受けて、解決することができました。

岩間さんは、この手続きの申立てにより、ローン中の乗用車をローン会社に引き上げられ、現在は古い軽自動車を使用しています。しかし、奥さんとは首の皮一枚程度で関係は継続でき、子供たちとの生活など、家族の平穏を取り戻しています。